TOEIC®L&Rテスト(以下TOEIC)を受験する動機は人によってさまざまですが、ほぼすべての受験者に共通しているのは、より高いスコアを目指しているということでしょう。しかし、スコアを順調に伸ばす人もいる一方で、長い間「◯00点の壁」が乗り越えられないという人もいます。この記事では、TOEICスコアが伸び悩んでいる英語学習者を4つのタイプに分類し、ケース別に対処法について考えます。

TOEIC受験者を大まかに分類するために、まず全体を「TOEIC対策に集中」派と「英語全般を勉強」派で大別し、さらにそれぞれを「勉強が楽しい」と感じているか、「勉強がつらい」と感じているかで分けます。

タイプ1:TOEIC対策を楽しんでいる「勉強家」タイプ
TOEICは世間一般的には「つらい・つかれる・つまらない」とネガティブな印象をもたれがちです。しかし、勉強家タイプはスコアアップで上達の喜びを実感したり、テストをゲーム化したりするなど、自分なりにTOEICの楽しみ方を見つけています。

ただ、熱心な勉強家タイプにも一時的にスコアが停滞する時期があるかもしれません。そんな時は、不正解との向き合い方について少し考えてみてください。スコアと正解にこだわることも重要ですが、不正解した問題がどういったスキルや知識を問うものなのかという本質について理解しなければ、成長につながりません。

「単語の意味は知っていたけど」、「2回聞いたら分かるけど」、「時間をかければ解けたけど」不正解してしまった問題から自分は何を学ぶべきなのかを客観的に分析しましょう。また、英語学習は量だけでなく質も、時間だけでなく強度(intensity)も重要です。伸ばすべきスキルを特定し、日々の学習メニューがその目的に対して有効かどうかを検証しましょう。

タイプ2:英語全般の勉強を楽しんでいる「英語好き」タイプ
TOEICは英語力のものさしとして時々利用していて、普段は海外ドラマ鑑賞や英会話なども含め幅広く英語に接しているというのが英語好きタイプの典型例。英語学習にはそれなりに時間を費やしているけれど、TOEICのスコアは思ったほど伸びていない。もしそのような状況であれば、文法や発音のような英語の基本を鍛え直す必要があるかもしれません。

「なんとなく理解できる」、「伝わればOK」というのは、英語学習においては重要なマインドセットなのですが、テストでは英語の正確さが問われます。また、自分で発話する場合は、多少カタカナ発音であっても通じますが、リスニングテストで聞き取らなければならないのはネイティブの発音です。自分の英語の音の認識があまりにもかけ離れていると、とっさに聞き取れません。

楽しみながら英語に接するというアプローチは継続しつつも、TOEICの問題集などの英語学習教材を使って学習するときは、正確さ・忠実さを追求するよう心がけましょう。

タイプ3:英語全般の勉強をしているが、つらいと感じている「欲張り屋さん」タイプ
英語を不自由なく使えるようになりたいという目標はあるけれど、なかなかその域に到達できず、日々の英語学習も段々つらくなってきている。そんな頑張り屋さんタイプは、目標設定についてもう一度考えてみるタイミングかもしれません。

高い目標を持つことはすばらしいことなのですが、目標が高ければ高いほど、そこに到達するまでの道のりは長くなります。なので、大きな目標を段階的に達成可能な目標に落とし込んでいく工夫が必要です。その小さな目標の1つとしてTOEICスコアを設定し、一時的に優先順位を上げてそれに取り組むというアプローチはいかがでしょうか。まずはシンプルなTOEICの英語をきっちりと理解することで、基本が身につくはずです。

ただ、頑張り屋さんタイプは知的好奇心が旺盛なので、長い間TOEICに特化した学習をするのは得策ではありません(たぶん飽きてしまいます)。例えば、TOEIC 800点を目標に設定したのであれば、短期集中でその達成に注力しましょう。それがクリアできたら、また次の小さな目標に挑戦します。このように段階的なプロセスを踏んでいけば、最終目標としている英語力に少しずつ確実に近づくことができます。

タイプ4:TOEIC対策に集中しているがつらいと感じている「実務家」タイプ
TOEICスコアは就職や転職、昇格要件などの事情で必要だけれど、「テストのための勉強」はやる気が出ないという人は少なくありません。リストに並んだ単語を暗記したり、ひたすら問題を反復練習するのは昔から苦手。そんなあなたは実務家タイプかもしれません。

実務家タイプはテスト勉強には身が入りませんが、いざ英語が本当に必要となると、ガラッと人が変わったように英語を身につけ始めます。実際にコミュニケーションを取ったり、業務上のタスクをこなしたりする経験を通じて、はじめて英語への興味も湧いてきます。

もしあなたがこのタイプなら、できるだけ英語は「使って覚える」アプローチで学ぶことをおすすめします。ただ、気をつけなければならないのは、ひたすら英会話をするというような方法では、TOEICスコアに成果は表れにくいということです。TOEICはビジネス実務英語のテストなので、その分野の表現を正確かつ瞬発的に運用できるようになる必要があります。TOEICの出題領域の中にある表現を使って覚えること、そしてインプットとアウトプットを常に連動させて学習することを心がけましょう。

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